事業計画・委員会活動について
本協会は「臨床試験に参加する被験者の安全性確保」を目的として、本邦における第Ⅰ相臨床試験を含む臨床薬理試験の質の向上、規制当局、日本製薬工業協会等との意見交換、各種学会運営の支援活動、学術活動・教育研修、及び被験者照合システムによる被験者保護を通じ、その役割を担ってきております。
本年度、COVID-19 に対する法的規制は変化したものの、その流行は予断を許さず、感染予防をはじめとし た臨床試験の安全性の確保へ大きな労力を払わなければならない状況下であります。一方で、COVID-19 流 行下において、臨床試験の新たな方法論とその実践が行われており、本協会加盟機関の多くはそれを推進す る役割を果たしているものと考えます。本協会は引き続き本邦における第Ⅰ相臨床試験を含む臨床薬理試験の 質の向上をめざすとともに、加盟機関における体制の充実等を規制当局、日本製薬工業協会等との意見交換 及び各種学会等を通して国内外に可能な限りアピールして行く所存です。
昨年公開した国際共同治験開始前に日本人対象の第1相試験を追加実施する必要性についてのステートメント にありますように、今後の我が国における早期臨床試験のあり方についても検討を重ね、実現に向けた活動を継続してまいります。
「被験者照合システム」の適切な運用について、かねてより議論を続けてまいりましたが、臨床試験とそれを取り 巻く環境の変化は大きく、大幅な改善と見直しが必要であると感じております。また、照合システムの有用性をさ らに広く高めるため、臨試協非加盟機関の調査を継続し、臨試協への加盟を促すことを本年度も重要な活動課題といたします。
臨床薬理委員会、学術教育委員会、医学ボランティア保護委員会、並びに将来検討委員会とその諮問委員 会である臨床試験の安全性向上委員会の各委員会において今年度の活動が立案され、更なる臨床試験の質 の向上にかかわる活動を行う事を方針として、2024年度事業計画を以下の通りと致しました。
2024年度の事業計画は以下の通りです。
■臨床薬理委員会
- 重篤な有害事象調査の継続
- 健康成人バックグラウンドデータの調査継続
- 国内臨床薬理試験の活性化及び適正化への取り組み(外部団体との協働を含む)
■学術教育委員会
- 国内臨床薬理試験の活性化への具体的な取り組み
- アドバンスト講習会、学術講演会のテーマに関する調査・及び講演会開催
- 早期臨床試験及び臨床研究の動向調査(臨床薬理委員会共同)
■医学ボランティア保護委員会
- 医学ボランティア保護委員会開催による意見交換会の継続
- 臨試協加盟推進に関わる調査の継続
- 臨試協関連施設における休薬期間の調査の継続
- 新規加盟機関に対する登録照合システム利用に関するオリエンテーションチームの構築
- 将来検討委員会と合同で協会体制の改革を検討
■将来検討委員会
- 臨試協の体制・事業に関する提案作成
- 諮問機関である臨床試験の安全性向上委員会の提言の承認、施行
■臨床試験の安全性向上委員会
- 指針・基準の内容を統合、一本化し臨床試験の安全性向上に関するガイドラインの策定
- 早期臨床試験に関わる専門職の認定制度の検討